芸は身を助く

初代タイガーマスク時代から、なんとなくプロレスを気にしつづけているオレである。RINGS見たさにWOWOWに契約してたっていうと、結構熱心なファンなのかと思われるかもしれないが、実は一度も生で観戦したことはないくらいなので、そのくらいの熱心さでしかないんだけど。
ここ数年は、プロレス界も大変なようだが、その結果かどうか、現在はかなりの二極化が進行中。格闘路線がK-1PRIDEで、こっちについては大晦日にでっかいイベントが組まれたりして、オレも見てはいたんだけど、もう片方の「ショープロレス路線」は正直、ほとんど気にしていなかった。というより、馬鹿にしていた。
で、この間、Gyaoで、「ハッスル」を配信していたんでちょっと見てみたんだけど・・・。これ、おもしろいわー。今までのショープロレス(一時期の女子プロレスがそうだった)不満点っていうのは、

  1. 脚本がチセツ
  2. 演技が下手クソ

っていうところだったんだけど、1については、たぶんアメリカンプロレスをちゃんと研究した脚本家が執筆するようになったのだろう、とてもよく練られたおもしろいものになっていた。
が、それよりも何よりも驚いたのが、2。レスラーたちの演技力である。今回見た対戦後のマイクパフォーマンスは、昔からのガナリ型だけではない、ちゃんとトーンや間を考えられたものになっていた。しかも、若手レスラーだけではなく、以前は「ストロングスタイル」「本格派」と言われていたベテラン勢までもが、だ。いやはや、時代は変わったと言うべきか。実に感慨深い。観客も、格闘技ではないそのステージを理解し、楽しんでいる。客も成熟したということだろう。
おもしろいのは、現在の脚本が、あくまでもアメリカンスタイルを源流としながらも、そこにきちんと、現在のプロレス界全体を考えた日本独自の味付けがされているところだ。いわゆる「格闘」側にも出ているレスラーがこちらでやっているパフォーマンスに対しても、場所の違いによる矛盾を逆手に取ったりして。
レイザーラモンHGもいい味出してるし、しばらくはこっち側も追いかけてみようかと思っている。